空き家問題打開へ増税策 ~京都市、住宅不足など懸念~

宅地の税優遇を見直す自治体が相次いでいる。兵庫県の神戸市や尼崎市が固定資産税の軽減措置に例外を設け、京都市はさらに新税を設ける条例案をまとめた。

尼崎市は、23年度実施をめどに、家屋などのある土地を対象とした固定資産税の優遇を見直し、倒壊などの危険がある空き家は対象から外すと表明した。傷みがひどい家屋を住宅とみなさず「非住宅用地」に変更すると税額は3~4倍程度にはね上がる。

20年度に税優遇を見直した神戸市はこれまで約70の物件を控除対象から外した。見直し後に解体処分された物件があったり、事前調査の段階で所有者側が修繕や解体に応じたりするなど一定の効果を上げている。

13年に固定資産税の優遇見直しを可能にする条例を定めた京都市は、新税の導入にも動く。管理が行き届いていない物件など約1万3千戸を課税対象とする「別荘・空き家税」の条例案を17日開会の市議会で審議する。

新税は固定資産税の評価額に一定割合を乗じた額に、立地や広さを考慮した「立地床面積割」を加えて、早ければ26年にも導入する予定。

すでに深刻になっていた空き家問題に対応したものだが、実家の管理等多くの住民が直面する問題で「増税」を迫ることにほとんどの自治体は二の足を踏む。

固定資産税の優遇見直しの先行都市で前向きな結果が得られるかどうか。全国の自治体が注視している。

(令和4年2月12日 日本経済新聞より抜粋)

建物を壊したら固定資産税が高くなるので、このままにしておいていいですよね?」と聞かれたら、「そうですね」としか答えようがありませんでした。

ボロボロでも建物があれば宅地の固定資産税が安くなるというのは、空き家の放置を助長する制度だと常々思っておりました。固定資産税を値上げするのは、空き家問題の解決に一番有効な手立てじゃないかと個人的には思います。

本気で空き家対策をするのであれば、傷みがひどい建物を放置している場合には、固定資産税を10倍程度にしてもいいのではないでしょうか。取り壊し費用を払ったほうが安いと思われなければ、ずるずるとこのままの状態が続いてしまいます。これは厳しい!と思わなければなかなか人は動きませんから。

相談を受けた際に、「空き家は絶対取り壊したほうが得ですよ!」と早く言えるようになりたいですね。

(米田貴虎)