相続税 実地調査5割減 ~22億円の申告漏れ例も~

2021年6月までの1年間に全国の国税局などが実施した相続税の実地調査件数が前年度より52%減の5106件だったと発表。対面による調査が困難だったことが主な原因。

申告漏れ額は大口事案を重点調査したことで調査1件当たりでは22%増の3496万円。追徴課税は47%増の943万円で、過去10年で最高だった。

(令和3年12月17日 日本経済新聞より抜粋)

 

遺産総額の多い所に、集中的に税務調査が行われています。
紙面には出てきませんが、海外資産がある場合は、ほぼ調査対象になっているようです。

7月から12月は税務調査がよく行われる時期ですが、遺産総額が少ないのに海外の銀行に預金があっただけで、税務調査に来られた依頼者もいらっしゃいました。
税務署の中では、重点事項になっているのでしょうね。

海外資産をもっていれば税務調査に来られる!だから海外資産はあまり持たないでおこう・・・という流れが出来そうな予感がします。
資産の海外への流出を防ぐことも目的の一つとしてあると思いますが、調査が難しい海外資産をなるべく持たせないでおこうという、税務当局の意向が読み取れます。

先日も、中東にある銀行の取引履歴を、現地まで取りに行って欲しいという要請が税務署からあったという話を聞きました。
このコロナ禍の時期に、どうやって取りに行けというんでしょうね・・・
とにかく、海外資産を持つ場合は、覚悟を持たなければならない時代になりました。

(米田貴虎)