個人の税申告が適正かどうかを調べる税務署の調査が例年9月ごろから年末にかけて本格化する。今年は相続税を中心に一段と厳しくなりそうだ。新型コロナウイルスの感染拡大が続き対面調査を増やしにくいなか、申告漏れなどが出やすい相続税は多額の追徴課税をできる可能性が大きいためだ。
国税庁がまとめた2019事務年度調査(19年7月~20年6月)のデータに注目する。相続税の実地調査件数は1万635と前年度に比べ約15%減る一方、1件当たりの追徴税額は641万円と約13%増加していた。
相続税の申告で税務署が注目する主な項目や財産
◆相続開始前3年以内の暦年贈与や相続時精算課税による贈与◆外国金融機関にある預金などの国外財産◆預金や株式などでの被相続人の名義財産◆非課税枠を超える死亡保険金◆小規模宅地特例の条件を満たしているか◆被相続人の預貯金口座から死亡前に多額の出金(令和3年9月11日 日本経済新聞より抜粋)
今年も税務調査の時期がやってきました。
コロナの影響で、昨年から調査の方法も変わりました。
対面での調査が難しいため、確たる証拠がある預金の計上漏れなどの指摘が増えたようです。
それは、実地調査の件数が減っても、追徴金額が増えていることからも分かります。
名義預金や名義株などは、今後ますます注意しなければなりませんね。
デジタル化が進んで、全ての遺産を税務署に把握される日も近そうですので。
(米田貴虎)