土地・建物に官民共通ID ~中古住宅の取引活性化~

国土交通省は全国の土地や建物の情報を共通IDで一元的に把握できる仕組みをつくる。民間の売買データベースと国の登記簿などを照会しやすくする。人工知能(AI)による資産査定など新サービスの普及を促す。
2021年度中にデータ連携の指針をまとめる。22年度からの運用をめざす。

バラバラの情報を紐づけて消費者に提供するのに手間がかかる問題があった。国交省は共通IDをつくり、データ連携を進める狙いだ。国の法務局が管理する不動産登記簿にある13桁の番号の活用を想定する。対象となる土地・建物は全国2億件超に上るという。

共通IDを活用すれば同じ物件を整理して見やすくしたり、問い合わせをしなくても成約情報を即座に反映させたりできる。

今後の人口減少の加速をにらめば、空き家対策の観点からも良質な中古住宅が流通しやすい環境の整備が一段と重要になる。

(令和3年6月22日 日本経済新聞より抜粋)

いよいよ不動産の一元管理が始まりそうです。
来年2022年からスタートするということで、おそらく急ピッチで準備が進められていることでしょう。

2億件を超える不動産のデータベースが出来上がると、様々な面で利便さが増すと思います。
国の施策としては、新築よりも中古へ需要のシフトをさせようとしているのかもしれません。

相続を機に不動産を売却する相続人も多いですが、妥当な査定金額がなかなか分かりにくい状態でした。
この国交省が作る仕組みが定着すれば、中古不動産市場は活性化しそうです。

おそらく近い将来、不動産共通IDと個人のマイナンバーも紐づけされるでしょう。
国に全ての情報を把握されるのと引き換えに、それを上回る恩恵を国民が受けられるように、利用しやすいシステムを構築してほしいものです。

(米田貴虎)