認知症 信託と損保で備え

高齢化を背景に、増加し続ける認知症患者。認知症を患うことで保有財産が詐欺被害にあったり、他人に迷惑をかけて賠償請求されたりする例も目立ち、信託や損害保険の分野ではこうしたリスクに対応する商品が次々登場している。

厚生労働省によれば、認知症患者は2012年で462万人と、65歳以上の高齢者のおよそ7人に1人。今後さらに増え続け、2025年には約700万人と、高齢者のおよそ5人に1人になる。

三菱UFJ信託銀行の「解約制限付信託 みらいのまもり」は本人が希望しても、親族などから選ぶ代理人が同意しない限り、全額を引き出す解約に応じない。

三井住友信託銀行の「セキュリティ型信託」も月20万円を上限に同行普通口座への定期入金はできるが、別途引き出す際は指定親族の同意が必要。

ただし、既に重度の認知症になり判断能力を失っていると契約はできない。

家族信託も、なじみが薄いが親子間で契約を交わすことで、親が子に財産管理の方法を託すことが出来る仕組みだ。親の預金を子が管理し、生活費や介護費を支払うように決めておける。

損害保険分野でも認知症リスクに対応する動きがある。日常生活で他人にけがをさせるなどして損害賠償責任を負った時に保険金が出る個人賠償責任保険で、商品を一部見直す損保会社が相次いでいる。

(平成28年10月19日 日本経済新聞より抜粋)

認知症とその予備軍は、年々増加しています。

今現在でも、後見人はつけていない認知症の人は、統計よりももっといるのではないでしょうか。10年後に高齢者は5人に1人は認知症になるという、恐ろしい予測がされています。これは、どんな世の中になるのか、想像もつきません。

認知症にならないようにする努力ももちろんですが、これからは親がもしくは自分が認知症になることを前提として、物事を考えて準備していかなければなりませんね。

任意後見契約をしっかりと結んで、子供に後を託すということも必要です。

(米田貴虎)