遺言があれば、遺産分けはそれを優先します。しかし亡くなった人の1割前後しか遺言を書いていません。結果として法定相続割合を基に配分される場合が多いです。
非摘出氏がいる場合、以前は法定相続分は摘出子の半分でしたが、民法が改正され今では摘出子と同じです。
養子も実の子と同じ扱いです。
相続税の基礎控除の対象者は、実子がいる場合場合の養子の子は一人まで、実子がいない場合は2人までと決まっています。
離婚した妻は法定相続人にはなりませんが、子は相続人です。
遺言は法定相続割合に優先します。被相続人の兄弟姉妹は遺留分がありません。
相続開始を知ってから3カ月以内なら、相続放棄、プラスの財産の範囲内で借金を引継ぐ限定承認という手続きを取ることが出来ます。
(平成28年8月6日 日経新聞より抜粋)
最近遺言を作成する人が増えてきました。
しかし、まだまだ少ないというのが実感です。
配偶者がいない人、子供がいない人、子供と音信不通になっている人は、必ず遺言を作っておいてほしいものです。
兄弟姉妹に遺留分がないというのは、遺言の制度の優れたところであると思います。
遺言が無ければ、妻に先立たれた夫は、妻の兄弟姉妹や甥姪に頭を下げて、実印と印鑑証明書をもらわなければなりません。
手続にも何倍もの時間がかかりますし、普段連絡を取っていない人に、大事な印鑑証明書をもらわなければならないなど、心理的なストレスもすごくかかります。
海外では、遺言がないと2年程遺産を動かすことが出来なくなるなどの弊害があるので、ほとんどの人が遺言を作成している国もあります。
核家族化が進んで、昔の古き良き時代の日本の家族像がゆらいできた現在、家族に負担をかけないように、ぜひ遺言の作成をお勧めします。(米田貴虎)