再婚禁止期間訴訟で最高裁大法廷が16日に言い渡した判決の要旨は次の通り。
多数意見では、女性のみに6カ月の再婚禁止期間を定める民法の規定は、再婚の要件で男性と女性を区別しており、合理的な根拠に基づかない場合、法の下の平等を定めた憲法14条に違反する。
立法目的は、父子関係をめぐる紛争の発生を未然に防ぐことにあり、関係が早期に明確になることの重要性から合理性が認められる。しかし、100日を超える部分は医療や科学技術が発達した今、正当化するのは困難だ。
晩婚化が進む一方で、再婚する人が増加するなど、再婚に関する制約をできる限り少なくするという要請は高まっている。世界的に再婚禁止期間を設けない国が多い。妻が結婚前から妊娠していた子を産むことは再婚の場合に限られず、100日を超える部分は結婚の自由に対する合理性を欠いた過剰な制約だ。憲法24条2項の両性の本質的平等に立脚していないことも明らかで、同項と憲法14条1項にも違反している。
原告の国家賠償請求は、離婚した2008年当時、違憲であることが明白とはいえず、国会が正当な理由なく長期間、改廃などの立法措置を怠っていたとはいえない。
(2015年12月17日 日本経済新聞より)
民法733条では「女性は離婚や結婚取り消しから6カ月を経た後でなければ再婚できない」と規定されています。男性は離婚してもすぐに再婚することができますが、女性だけが離婚してから6カ月間は再婚ができないということです。
なぜこのように決まっているかと言うと、再婚時に妊娠していた場合に、その子の父親が誰なのかを明確にするために、明治時代にできた法律が今も続いているのが現状です。当時はDNA鑑定など技術が進んでいなかったため、女性の外見から妊娠の有無を判断するために300日とされているようです。
しかし、この違憲判決が出たことで、国は女性が離婚してから100日が経過した時点で再婚できるようにすることを迫られます。今後の動きに注目したいところです。