親子間、夫婦間でもお金や相続の話はしにくいもの。だがコミュニケーションを怠った結果、残された子供や配偶者が相続手続きで思わぬ苦労をすることが多い。
財産がどこにいくらあるのかわからないというケースは少なくない。しかし、相続財産を把握していなければ、誰がどの遺産をいくらずつ相続するかを話し合って決める遺産分割協議ができず、相続手続きを進めることができないのである。
また、相続人を探すのに苦労することもある。「出生から死亡までの戸籍」と一言で言うが、戸籍は法改正による様式の変更(改正)や本籍地の変更(転籍)に伴いいくつも存在し、そのすべてが必要である。すべての戸籍を集めるのに数か月かかることもある。その戸籍を見て前の結婚で生まれた子供がいることが分かるなど想定外の相続人が出現するケースも少なくない。
こういった苦労をしないために、親は財産をわかりやすく記録し、定期的に見直すなど管理を徹底して、その記録の存在を配偶者や子供に伝えておきたい。負債も気づかないことがあるので、あるかどうかを記録しておこう。前の結婚の時の子供など話しにくいことはある。口頭で伝えにくいならば、メモや遺言にしておくのが良い方法だろう。
(2014年4月8日 日経新聞より)
相続や遺産の話を親子間や夫婦でしにくいという家族は多くあるはずです。こういう苦労をしない秘訣は「相続や遺産の話をタブーにしないこと」です。
相続手続きをする時には、聞きたい事を教えてくれる本人がいません。何も話さないままで、思わぬところにあった借金で家族に負債がのしかかる、財産のことで家族間に紛争が起きるといった不幸が訪れる可能性も十分にあります。
子どもの側からは角が立って言いにくいという場合もあるので、親の側でこのような苦労を家族にかけないようきちんと対策をしておきましょう。