認知症などで判断能力が低下した高齢者らの財産を管理したり生活を支援したりする成年後見制度。
厚生労働省によると、認知症の高齢者は約460万人いる。成年後見の利用は、認知症の親がいる親族には不可欠の仕組みで、昨年末で約13万6000人が利用している。
しかし、最近、親族が後見人になった場合に、利用開始後財産を使いこむなどの不正が後を絶たない。その数は、2010年6月から12月末までで1058件、被害総額は約94億4000万円。その一番の原因は「経済的困窮」、次に「自分の財産と被後見人の財産をきちんと分けて管理する意識がない」が上げられる。
不正防止策として、「定期報告の強化」や親族後見人が「いつでも相談できる体制」を整えることなど早急な対応が必要だ。
(平成25年7月31日 日経新聞より)
「親の財産はいずれ相続で自分のものになるとして子供が使い込むケースが目立つ」(家裁関係者)とのこと。しかし、たとえ、親の財産でも勝手に使えば、業務上横領で逮捕・起訴されたり、懲役の判決が出るケースもあります。
常に管理をするということは、ちょっとだけ、ちょっとだけと手を付けていくうちに、大きな被害になる恐れが大いにあるということです。そうなる前に、やはり、家庭裁判所での親族後見人への選任時、定期報告時のチェックの強化といった監督体制の強化なども重要な課題となります。