5000万円超の海外個人資産

海外に5千万円超の資産を持つ個人に対して、「国外財産調書制度」が来年の確定申告から始まる。毎年末の時価をベースに5千万円を超える資産(海外にある株式、現預金、不動産、高額な美術品など)を持つ場合に報告義務が生じる。

日銀によると、日本の家計資産のうち外貨建ての預金と有価証券の合計額は11年度末で14兆6650億円、その内、国税庁が把握した相続税の申告漏れは111件と5年間で4割増。「国外財産調書制度」は、相続税の申告漏れの防止狙いとされている。
(平成25年6月11日 日経新聞より)

「国外財産調書制度」は14年末分の報告から罰則規定を適用する(13年末は経過措置として罰則なし)とあるが、果たして、この制度で、税務署が確実に海外資産を把握することができるのか?

また、罰則適用となる「故意に調書を提出しない」の「故意」は税務当局が証明できる場合に限られるため、どの程度機能していくのか、はなはだ疑問ではある。