【相続事例集】戸籍を取ってみたら….

相談者の赤塚さん(女性)は80歳後半ですが、まだまだお元気で、判断能力もしっかりされた方です。近くに住む姪の方も一緒に来所されました。
相談内容は、姪がよく家に来て身近にお世話をしてくれるので、赤塚さんはすべての遺産(主に、預貯金)を姪にあげる遺言書を作成したい、とのことでした。
 
家族関係は、数年前に再婚同士のご主人とは死別し、子供がいませんでした。兄弟姉妹(死亡の場合は、その子が代襲相続人となる)が多数いるため、身近に住み、今後も施設入居など世話をしてくれる姪のフジコさんにあげたい、とのことでした。

しかしフジコさんには、ひとつ気になっていることがありました。
それは、「離婚した前夫の子2人と養子縁組していたかもしれない」ということを赤塚さんから聞いていたことでした。
もう何十年も会っていないようですが、養子であれば遺留分があるので、死後、遺留分侵害額請求をされる可能性があります。
そこで、赤塚さん本人からの依頼で、戸籍を取って確認してみることにしました。

戸籍をとってみると、その2人は養子ではなく、赤塚さんの実子だったのです。しかも、2歳の子と生後数か月の子と別れ、離婚して家を出たようでした。
離婚原因は詳しくは聞いていませんが、戦後の大変な時代の中でいろいろとあったようで、実子がいることを誰にも言えなかったのかもしれません。
その後、公正証書遺言を作成しましたが、もし赤塚さんが亡くなったら、実子には手紙で連絡することになります。
 
相続が発生する前に実子がいることを把握できたことは、心の準備ができて良かったとおっしゃっておられました。

 

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代表の米田貴虎(よねだたかとら)です。

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