質問:私は義父母、さらに義理の祖母と長年暮らし、3人を看取ってきました。夫が定年退職したのを機に、一人息子と暮らそうと家も建て替えたのですが、息子は結婚して家を出て行き、ほとんど電話連絡もしなくなりました。ここ数年、私はひどい膝痛に悩まれていて、夫の助けなしで暮らしていけません。
息子夫婦は頼りにならないので、夫に万一のことがあった場合、土地と家を処分して有料老人ホームのお世話になろうと思います。現在の住宅以外に資産はありません。息子に残す資金の余裕はありません。相続のことを考えると、こうしたことが許されるのでしょうか。
回答:ご質問の件ですが、ご主人様に万が一のことがあった場合に備えて、
(1) 生前に不動産の名義をあなたに変更する(贈与)
(2)「不動産を妻(あなた)に相続させる」内容の遺言書をご主人様に作成してもらう、という2つの方法が考えられると思います。
ただし、いずれの方法もご主人様のご理解(同意)を得なければなりません。
その他、手続をするに当たり
(1) については、贈与税や不動産取得税などの税金面を考える必要もあるかと思います。
結婚を20年以上していれば、配偶者控除という制度が利用でき、2000万円までは居住用の不動産を税金がかからないように、贈与できる方法があります。
(2) については、遺言に関する基礎知識(遺言の種類、書き方、遺言書における相続手続など)を身に付ける必要もあると思います。
実際にどちらの方法を選択した方がいいのかの判断は、財産の評価(調査)を行い各々のシュミレーション結果を踏まえ、総合的に判断する方がいいのではないでしょうか。