
2007年に社会問題化した「持ち主不明の年金」。当時約5100万件ありましたが、17年後の現在も約1700万件が不明のままのようです。
1997年に基礎年金番号が導入されましたが、それ以前の加入記録を持つ方の高齢化が進み、記憶頼りの部分も多いようです。日本年金機構によると、未統合事例の多くが「転職が多い」「改姓経験がある」「名前の読み方が複数ある」の3パターンで、特に結婚で姓が変わった女性は要注意です。
日本年金機構は「ねんきんネット」内の「持ち主不明記録検索」システムの活用を推奨しています。名前や生年月日を入力すると、該当する不明記録があれば「一致する記録がある」と表示されます。高齢者の代わりに家族が操作することも可能です。
死亡記録が反映されていない可能性もあるため、遺族が故人の記録を検索する場合は、存命の条件設定でも検索した方が良さそうです。お勤めされていた事業所名から検索する機能もあります。3親等以内の遺族で要件を満たせば、亡くなった本人の代わりに年金を受け取ることができます。
一方、企業年金の一つである「厚生年金基金」も未支給年金を多く抱えています。入社10~15年程度で退社した場合の資産や支払い手続きは「企業年金連合会」に移管されますが、本人からの請求がない分が2024年3月時点で113万人に上るようです。
「ねんきん定期便」や「ねんきんネット」でも入手できる「被保険者記録照会回答票」に基金の加入期間が掲載されているのに未請求であれば、連合会に確認してみましょう。