民法は、相続予定の人が先に亡くなっていた場合に、その子どもら（直系卑属）が相続権を引き継ぐことができる「代襲相続」という制度を定めています。
ただし、養子縁組の場合の「代襲相続」には注意が必要です。
養子が先に亡くなって、後から養親が亡くなった場合、養子の子に代襲相続権があるかないかは、養子の子の出生時期によって結論が異なります。 養子縁組をした日よりも前に生まれていた子には代襲相続権がなく、養子縁組をした後から生まれた子には代襲相続権があります。
養親が、養子の子ども達を実の孫のように分け隔てなく可愛がっていたとしても、その孫が、養子縁組の前に生まれていた子か、養子縁組の後に生まれた子かによって相続権が異なるというのは何ともやるせない話です。とはいえ、民法は養子縁組の日を境に線引きをすることで、相続人の範囲を明確に限定しています。
