不動産や現金など具体的な財産ではなく、受け取る遺産の割合を示す相続分を譲渡することが贈与にあたるかどうかが争点となっていたが、最高裁判所は、相続分の譲渡は贈与にあたるとの初判断をした。
生前に贈与した財産も遺留分の計算対象。
相続分に具体的な価値がない場合を除けば、譲渡によって経済的な利益が移転したことになる。
(日本経済新聞 平成30年10月22日付より抜粋)
この事案を簡単に説明すると次の通りです。
父が亡くなり、母と長男と次男が相続人。
1、母から長男への相続分の無償譲渡は贈与
2、次男は母の相続時に長男に遺留分を請求できる
調停などの際に、遺産分割の争いから抜けたいという相続人が、相続分の譲渡を行うことがよくあります。
今回の判例で、相続分の譲渡が贈与になると決まりましたが、贈与税などはどうなるのか今後の実務では、気を付けていきたいですね。
(米田貴虎)