2018年4月の税制改正を受け、土地の相続税を大きく減らせる「小規模宅地等の特例」の適用条件が厳しくなった。厳格化されたのは主に「家なき子」と呼ばれる規定だ。
特例は、子どもが相続する場合に故人と生前、同居していたことが条件となるが、転勤などで別居するケースもあるために持ち家に住んでいない場合に限り特例の適用が認められていた。これがいわゆる「家なき子」で、「相続前3年間、自分か配偶者が所有する家屋に住んでいないこと」が条件だった。しかし、この4月からはさらに「3親等以内の親族や特別な関係の法人が所有する家屋、自分が過去に所有した家屋に住んでいないこと」も条件に加わった。
従って、「持ち家を子どもに贈与」「持ち家を同族会社に売却」「親に買ってもらった家に住む」といった節税対策が無効になる。
賃貸アパートや駐車場の土地で特例を使う場合も、「相続のときだけ一時的に地価の高い都心の駐車場を所有する」といった節税対策は無効で、「相続までの3年超にわたって貸付事業をしていた」という条件が加わった。ただし、「故人が別の土地で3年超にわたり、事業的規模で貸付事業をしていた場合」はこの条件が付かずに特例が使える。
家なき子で特例を使うつもりで遺言などを書いている場合は書き換えの必要が出てくるかもしれない。
(平成30年4月7日 日本経済新聞より抜粋)
「同情するなら金をくれ!」と言った、当時12歳の安達祐実のドラマの「家なき子」ではありません。
相続税の節税で、実家を相続した際に土地の値段が80%オフになるという特例を使える条件が、とても厳しくなりました。
ほとんど、同居してなければこの特例は使えなくなってしまいました。
本来の税金の考え方を間違って、あからさまな節税をする人が増えすぎたことへの締め付けだと思います。
税務署にいじめられているように感じるのは、ドラマの内容と同じかもしれませんが(^_^;)
(米田貴虎)