事実婚、税・相続で不利に ~遺族年金・家族割引は対象~

事実婚の人が配偶者や家族としての契約をする場合には、2人の関係を証明する「証拠」
を求められる。有効なものの一つが住民票だ。住民票の続柄に「夫(未届)」もしくは「妻(未届)」と記載できる。

事実婚の契約書を作成する方法―①婚姻の意思②生計を同一にすること③子どもが生まれたら共同で養育すること④不貞行為があった際の慰謝料⑤関係解消時の財産分与―などを記した公正証書を作成。
結婚式や親族で集まった時の写真、連名の郵便物なども証拠になる。
 
パートナーが亡くなった場合には遺族年金を受け取れる。遺族年金を受給している人が別の人と法律婚や事実婚関係になると受給権を失う。手続きを怠ると「不正受給」になる可能性がある。

一方で、所得税の配偶者控除や配偶者特別控除は事実婚では認められない。さらに相続ではパートナーの法定相続人にはなれず遺留分もない。財産を引き継ぐには、互いに遺言書を作成したり、生命保険を活用したりといった対策をする必要がある。事実婚では配偶者向けの税額軽減措置が使えないほか、相続税額が2割加算されてしまう。

子どもが生まれた場合には、一般に子どもは母親の戸籍に入り、その姓を使う。親権は母親が単独で持つ。父親が認知するといった手続きをすれば、法律上の父子、母子の関係は認められる。こうした手間を避けるために、出産に伴い法律婚に切り替える人もいる。

(令和4年10月22日 日本経済新聞より抜粋)

住民票の続柄に「夫(未届)」もしくは「妻(未届)」と記載できること、知りませんでした。事実婚であることを、住民票で確認できるのですね。

確かに、子どもが生まれるまでは事実婚のままでもいい気がします。同棲より一歩進んだ感じですね。仲が悪くなれば、すぐ別れることもできますし、様々な手続きもいりません。
子供が生まれると、法律婚に切り替える人が多いのは、やはり子供のためなのでしょうね。「お父さんとお母さんと、なんで苗字が違うの?私はどっちなの?」って聞かれると説明が大変そうです・・・。

「結婚は家と家が行うもの」という考え方から、「個人と個人が行うもの」というふうに価値観が変わってきたように感じます。各家庭によってさまざまな考え方があると思いますが、家族の在り方をしっかりと考えていく必要がありそうです。

(米田貴虎)