賃貸住宅への入居を断られやすい単身高齢者や低所得者向けに、空き家や空き部屋を活用する新たな制度が始まる。
所有者に物件を登録してもらい、自治体が改修費用や家賃の一部を補助するなどして、住まい確保につなげるのが狙い。
65歳以上の単身世帯は今後20年間で、約160万世帯増える見込みだ。だが、単身高齢者や所得の低いひとり親世帯などは、孤立死や家賃滞納のリスクがあるとして賃貸住宅への入居を断られるケースが多いのが背景にある。
自治体は登録された物件の情報をホームページなどで入居希望者に公開。物件が適正かどうか指導監督したり、入居後のトラブルに対応したりする。
(平成29年10月16日 日本経済新聞より抜粋)
先日、87歳の相続人が孤独死して発見されるまでに1年という依頼案件がありました。もちろんご遺体は白骨化していました。
今回の件は、自宅での孤独死でしたので、その建物にご遺族の方が住まれれば特に大きな問題にはなりません。
しかし、賃貸の場合は大きな影響が出ます。
自殺や殺人では無いにしろ、賃貸で新しく住む方には、“直前の住人が孤独死して死後一年発見されずに白骨化していた”という事実を、賃貸借契約を結ぶ際に重要事項説明の中でお伝えしなければなりません。
そうすると、なかなか新しい借り手が見つからないという状況になります。
こういう事案は、全国各地で起きています。
大家さんが、高齢の方に賃貸住宅を貸すのはリスクが高いと感じても不思議ではありません。
そんな中、全国で820万戸ある空家を、高齢者向け住まいに活用するという素晴らしい制度がスタートしました。しかも200万円の改修費や月4万円の家賃補助を自治体が行ってくれるというプレゼントつきで。
様々な条件はありますが、平成29年4月に成立した「改正住宅セーフティーネット法」は、空家と高齢者問題を解決する、とても効果的な法律だと思います。
この仕組みが、形骸化することなく、全国に広がっていくことを望みます。
(米田貴虎)