親が高齢になり自ら金融機関に出向くのが難しい場合に、家族が代わりに金融取引をするためには、「任意代理」の仕組みを使うと便利だ。
手続きの流れは、
(1)口座のある銀行・証券会社の店舗で所定の届け出書類などをもらう
(2)本人・代理人が住所・氏名を自署、届け出印を押印
(3)銀行・証券会社の担当者が本人・代理人の意思と代理内容を面談により確認
(4)代理人による取引が可能になる。
任意代理ができるのは、あくまで親に判断能力がある場合だ。
判断能力がほぼない場合は、家庭裁判所が成年後見人を選び、後見人が財産管理を行う。子どもが選ばれる可能性もあるが、弁護士・司法書士などの専門家が選ばれることが多い。引き続き子供に代理人を務めてほしいなら、判断能力があるうちに任意後見契約を結んでおく必要がある。
(平成29年10月7日 日本経済新聞より抜粋)
任意代理の方法は、確かに便利です。
しかし、金融機関の窓口では、まだこの方法を知らない行員さんもいて、トラブルになることも多いです。
「本人を連れて来てもらわなければ出来ません」の一点張りで、家族の人に大声で怒鳴られている行員さんを見かけたのも、一度や二度ではありません。
任意代理→任意後見→死後事務委任→遺言の4点セットで、公正証書を作る方も増えてきています。
特に、おひとり様や、近くに身内がおられないにん方は必要です。
金融機関では、詐欺被害を防ぐために、出金時にはかなりハードルを高くしています。
事前にできることをきちんと準備して、安心して生活が送れるようにしたいものです。
(米田貴虎)