相続税の計算では、故人の自宅の土地(330平方メートルまで)を同居していた家族が相続すると、その評価額を8割も減らせる特例(小規模宅地等の特例)がある。ただし、別居家族であっても、相続前の3年間、自身や配偶者の持ち家に住んでいなかった人(通称「家なき子」)も特例の適用が認められる。
「家なき子」になれるのは「子」に限らない。条件を満たせば親族(血族6親等まで、姻族3親等まで)も認められる。遺言で持ち家のない孫に相続させるか、その孫を養子にしておく方法もある。
相続財産に占める自宅土地の割合が大きいと、同特例で相続税がゼロになることがあるが、その場合も税務署に申告はしなければならない。
2014年から、二世帯住宅で親世帯と子世帯がマンション住戸のように区分登記されていると特例が適用されないが、生前に合併登記をしておくと特例が使える。また、故人が要介護や要支援の認定を受けて老人ホームに入居したのであれば、それ以前の自宅の土地に特例が適用できるようになった。
同特例は改正が繰り返されてきた経緯があるので、特例の仕組みを正しく理解して、改正の動きも注視しておきたい。
(平成29年8月19日 日本経済新聞より抜粋)
実家の土地評価が20%でOK。1000万円の土地が200万円に!
相続税の計算で使われる、いわゆる小規模宅地の特例です。
「実家を残すために、考慮してあげましょう」という税務署の考えです。
そのかわり、自宅以外には高い税金を掛けます。
数年前の相続税の改正で、この特例も使い勝手が悪くなりました。見えない増税です。
対策は、実家を継ぐ人が自分のマイホームを持っていないこと。
同居しなさいということですね。
それが出来ない場合の対策として、相続人のマイホームを自分の子供に贈与しておくという方法がよく使われます。
住んでいるけど、名義は子供という構造ですね。3年の時間は必要ですが。
いずれにせよ、相続税対策のウルトラCはありません。
一番失敗するのは、進められるがままに、全体の資産を考えず、将来の相続税の額も計算しないで、思い付きで対策を行うことです。
相続税が20万円しかかからない人が、100万円以上のコストをかけて、相続税対策をしていたことがありました・・・。
なるべく早めに、専門家に相談して時間をかけて対策をしていくことが必要です。
(米田貴虎)