税務当局が相続税の調査で、生命保険の申告漏れに本格的なメスを入れ始めた。
特に契約者が実際には負担していない「名義保険」に関して、親が子供名義の預金口座を作り資金を移し替えて財産額を減らす「名義預金」と同様に、当局は神経をとがらせている。
いわゆる「名義保険」とは、契約者の名義が子供であるにもかかわらず、親が生前、保険料を負担していたケースをいい、本来負担分は生前贈与の扱いとなる。
また、契約者である親の死亡に伴い、契約者名が子に変更された場合も、親から子へ引き継がれた財産として、解約返戻金相当額が相続財産とみなされる。
税務署は故人の預金口座にかかわる資金の流れをチェックするなどして、名義保険を把握している。
来年からはさらに、生命保険会社に提出を義務付けている法定調書においても、契約者の死亡により契約者名の変更があった場合、解約返戻金相当額の記載と共に当局に報告するよう義務付ける。
(平成29年8月12日 日本経済新聞より抜粋)
最近の相続税の調査は、名義預金と名義保険がほとんど!
税理士は口を揃えて言います。
先日は、名義預金1億5000万円が税務署に見つかった相談者がいました。頼んだ税理士が、税務署に指摘されてから修正申告すればいい・・・と言ったらしいです。
何千万円もの追徴金を取られたことは、言うまでもありません。
相続税がかかる人は、名義預金を慎重に確認しなければなりません。
同時に、名義保険もです。
保険会社から税務署に通知が行きますので、マークされると絶対にばれます。
2018年からは、契約者の変更の際にも、解約返戻金が記載された法定調書が保険会社から税務署に提出されます。
これで、完全包囲網の完成です。申告の際には名義預金と名義保険には十分注意しましょう。
(米田貴虎)