法定相続人がいない人の資産が国庫に帰属した額は2015年度に420億円を数えた。
高齢化で相続人が亡くなるなどの場合が多く、05年度と比べ2.5倍に増えた。
これ以外に土地・建物として不動産のまま国庫に帰属する分も数千万円(台帳価格)ある。
また、国庫納付以外にも、金融機関で10年以上放置された「休眠預金」も存在する。
厚生労働省の国立社会保障・人口問題研究所がまとめた「生涯未婚率」は15年時点で男性が23.37%、女性が14.6%と過去最高を更新した。法定相続人のいない人が、今後もますます増えることが予想される。
国の相続額がさらに膨らみそうな中、「隠し財源」として注目される向きもある。
(平成29年4月16日 日本経済新聞より抜粋)
亡くなった人の遺産を、国が受け取る!最近増えてきている現象です。
誰も相続人がいない。そんなことがあるのかと思いがちですが、例えば一人っ子が結婚せずに亡くなると、国庫に行ってしまいます。
もちろん、すぐに行くわけではなく、生前にいろいろ世話をしてくれた人は特別縁故者といって、何割か相続できることもあります。
老人ホームなどが特別縁故者の申立てをしたら、けっこうな割合で相続できてしまったりというケースもあります。
このような案件をこれまでにも手がけたことはありますが、問題は誰がその手続きを始めるかということです。
何も相続できない人が、裁判所に予納金を払ってまでこの手続きをするかといったらやりません。案外そのまま放置されている土地や預金も、たくさんあるのではないでしょうか。
数年前の案件ですが、亡くなってから3年間、家も預金も放置されていたことがありました。
貸金庫を借りておられたのですが、残高が少なくなって引落しが出来なくなってから慌てて銀行から依頼があったというものです。
未婚率の上昇とともに、「財産を全て国が相続する」ことも増えていきそうです。
対応策としては、遺言書を書いておくことしかありません。
遺言書があれば、全て自分の思い通りに財産を振り分かることが出来ますし、誰も文句は言ってきませんので!
(米田貴虎)