相続税対策の養子「有効」 – 相続税法では税務署長の判断

相続税対策で、孫と結んだ養子縁組が有効かどうかで争われた訴訟の上告審判決で、31日、最高裁は「節税目的の養子縁組でもただちに無効とはいえない」との初判断を示した。

相続人が多いほど控除額が増えて税金が減るため、資産が多い場合に節税目的で養子縁組をするケースが少なくない。

最高裁の初判断により、節税目的であっても当事者の意思が確認されれば、養子縁組が無効になる余地はほぼなくなったといえる。

ただし、相続税法は「相続税の負担を不当に減少させるとなる場合は、税務署長の判断で養子を算入せず税額を計算することができる」と定めていることから、国税庁は「個々の事例に応じて判断する」としている。

(平成29年2月1日 日本経済新聞より抜粋)

最近、相続に代表される家族法に関する、最高裁の判例が増えてきています。

戦後の家族形態が変わりすぎて、法律と現状が合わなくなってきたからでしょう。

そもそも、節税目的の養子縁組が無効だと言って、最高裁まで争ったことが理解できません。どんな目的であろうと、養子縁組をしたということは自分の子供にするという覚悟があって、養子縁組届を市役所に提出したからです。

節税が目的であってもいいではないでしょうか。

しかし、国税庁のコメントは個人的には気になります。

相続税の負担を不正に減少させる養子縁組を特定して、それを否認するという事案があるかもしれないと言っているのですから。

どんな事例が出てくるのか楽しみです。出ないと思いますが。

(米田貴虎)