兵庫県内の自治体が2015年度、身寄りのない高齢者らの後見開始を親族らに代わって裁判所に請求したケースは、過去最多の233件だったことが7日、神戸新聞社のまとめでわかった。制度の浸透に加え、地縁の希薄な都市部で独居者の増加が背景にあるとみられている。
全国的にみると、最高裁によれば昨年は過去最多の5993件の上り、全体の17%を占めた。都市部の自治体の伸びが顕著で、地方は少ない。親族が関わるのを拒むケースが増えている。
背景には、独居で一人暮らし、身内にも見放された高齢者の姿が浮かぶ。親族に金銭を搾取されるなど虐待を受けているケースも相次ぎ、関係を断ち切る手段としても活用されている。
(平成28年10月8日 神戸新聞より抜粋)
親族が様々な事情によって、成年後見開始の請求を家庭裁判所に行えない場合、市長などが代わって請求できる制度が増えてきています。
神戸でもおひとり様の人数が増加し、親族と疎遠になっていて、親族の協力がないと申立てできない人が多いです。
実際の相続の現場でも、おひとり様からの相談は増えてきています。
特に、子供のおられない夫婦で配偶者が亡くなられた場合です。
この場合は、親族とほとんど無縁になっているケースが多くみられます。
兵庫県上郡町では、自治体の申し立てが1件も無いそうですが、地域の取り組みが根付いているのでしょうね。「頼りになるのは、遠くの親戚より近くの他人」とはよく言われますが、地縁は大切にしたいものです。災害時はもちろんですが、介護や相続の時にも、近くに頼れる人がいるかどうかで、安心感は大きく違います。
(米田貴虎)