高齢者マネー、孫へ

祖父母から孫への教育資金の贈与が1500万円まで非課税になる制度が始まって、1年がたった。

大手信託銀行4行の合計で贈与額は4300億円、契約数は6万5千件に達する。当初の見込みを大幅に上回った形である。贈与額4300億円のうち、既に150億円が引き出されており、一定の消費押し上げ効果があると言えそうだ。

しかし、利用者は注意が必要である。非課税措置を受けるには教育費に使途が限定されている必要があり、お金を引き出すには、教育費としての支出であることを証明する領収書を提出しなければならない。

使途はもちろんのこと、日付や支払先の名称、所在地などが明記されている必要がある。

このような条件はあるものの、利用者が増えれば、ますます個人消費へ追い風となるだろう。
(平成26年4月7日 日経新聞より)

日本の1600兆円の個人資産のうち、6割が60歳以上の高齢者に集中しています。このような資産が子育て世代へ移転すれば、消費が増えてくるでしょう。

信託協会では、この教育資金の非課税制度の恒久化を国に要請する方針であり、出産や育児への非課税対象の拡大も要望できないか検討したいとしています。

少子化問題で若年層の問題が懸念される中、国・利用者共にメリットのある制度の施行が待ち遠しい限りです。