沖縄県出身の佐藤さん(仮名)から、母 花子さん(仮名)が亡くなったので母が沖縄に所有している不動産の相続手続きをしたいとのご依頼がありました。
しかし、所有している物件の登記簿謄本にて不動産の確認をすると、所有者が「花」と記載されていました。
佐藤さんからは、「確かに母が所有している不動産で間違いないはず」とのことでしたが、不動産の所有者は登記簿記載の住所・名前の一致で同一人物であると確認されますので、「花子」さんと「花」さんとは別人と認識されてしまいます。
この場合、名前の変更をしたことを戸籍で証明すれば問題なく手続きができます。即ち名前の変更をした場合、通常「花」から「花子」になった旨が戸籍に記載されます。
しかし、花子さんのご出身地は戦時中、激戦地になったところであり戦前の戸籍が消失してしまっていました。従って、取得出来る現存の戸籍には既に「花子」の名前で記載がされておりました。
そこで名前の変更が確認できる術がないかと役所に相談をすると、「証明願を作成して送ってもらえれば役所にて調査をし、証明書として発行する」とのことでした。
早速、証明願を作成し送付をすると、調査後、証明願に証明印が押されたものを返送してもらえました。不動産の名義変更を申請する法務局でも、上記証明書を添付すれば手続きをしてもらえるとのことでした。
このように相続手続きでは、一般的に発行してもらえる証明書とは別に、請求者側にて作成しなければならない書類もあります。
その場合、適正に手続きが出来るように書類の文言を考えなければなりません。もしそのような書類が必要となった場合は、専門家にご相談することをお勧めします。