相続人は兄弟姉妹(福井家)※すべて仮名
【関係者】
被相続人:雄二さん(福井家次男かつ未婚子どもなし)
相続人:朋子さん(次女)・太郎さん(長女の子ども)・長女君子さん・美智子さん(長男の子ども)・福井家長男恭一さん
朋子さんの弟、雄二さんが突然亡くなられてしまいました。雄二さんは、朋子さんの自宅によく遊びに来ては、仲良くすごされており、朋子さんの子どもたちとも、とても仲がよかったために、雄二さんの突然の死は、朋子さんは大変ショックを受けられておられました。
亡くなってまもなくセンターへ相談にいらっしゃった朋子さんの相談内容は、他の相続人へ連絡を取りたくないし、しばらく連絡をとってないから、住所もわからないので、今後どうすればいいのか?という、相談でした。(雄二さんが亡くなったばかりであり、かなり精神的にも不安定な状態でした。)
連絡を取りたくない理由は2点。
1点目、お墓をめぐり長男恭一さんの奥さんと喧嘩をしてしまい、それ以来親戚同士の付き合いが亡くなったので、いまさら連絡するのが気まずい。
2点目、雄二さんの面倒を見てきたのは朋子さんだから他の相続人(朋子さん以外代襲相続人)へ相続財産を渡したくない。雄二さんも同じ思いだったとのこと。
そこで、次のようなアドバイスを行いました。
1点目は、最初に朋子さんから他の相続人にお手紙を送ってはもらわなければならないが、詳しいことなどは再度センターが朋子さんの代わりに相続人へ連絡をして、相続手続の段取りをとることができること。
2点目は、遺言書がない以上、朋子さんの主張はもめる原因になること。
朋子さんも、徐々に落ちつきを取り戻し、もめる事は本望ではないので、朋子さんが弟、雄二さんのために使った代金はきちんと相続財産から精算し、残りを相続人で分けるということにしたいということになりました。
そこで、朋子さんからの手紙の後、センターから相続人全員に連絡をとり、分割協議を行う準備をしました。朋子さんの希望により私どもも同席し、分割協議の内容には一切かかわらず財産目録と経費の説明のみを行いましたが、お墓の話で揉める以前は仲良くお付き合いしていた親戚同士だったので、分割協議はとても和やかに進み、スムーズに行きました。朋子さんからは、揉めずに済んで本当に良かったとおっしゃっており、また、無事に相続が終わり大変感謝していますと笑顔でお話されていました。
解決のポイント、1.朋子さん以外の相続人へ連絡する際に、相続財産から経費を精算し、残りを分割するという朋子さんの意思を明確に伝えたこと。2.財産目録のほか、領収書をきちんと添付した経費の計算書を作成し、丁寧に説明したこと。
とはいえ、何よりも朋子さんたち、親戚同士が本当は仲が良く、一緒に旅行や家の行き来をするお付き合いだったのが一番揉めなかった原因であることは間違いないでしょう。