Aさんのお父様がお亡くなりになり、所有している不動産を調べていたところ、隣の家の敷地に建物がはみ出していることを、固定資産税の評価額等証明書の記載で見つけました。
相談員がAさんに聞くと、『そんなはずはない、今はその場所にあった倉庫自体ない!』とのことでした。
確かに固定資産税の評価額等証明書を確認しても、該当の倉庫らしきものは見当たりません。
まずは現状確認をしようと、住宅地図や建物配置図で確認をすると、確かにAさんのいう倉庫のようなものはなく、境界をはみ出している様子は見受けられません。
しかし、住宅地図や建物配置図では杭などは見えません。そこで、Aさんとともに現地確認をしようと、ご自宅の周りを共に杭さがしをしました。すると数年前に隣の家が測量をした時に打った、しっかりとした杭がありました。
現状からすると、やはり越境はしていないように見受けられます。
相談員は、固定資産税課のミスではないかとAさんに話し、杭の場所等の証拠写真をとり、固定資産税の評価額等証明書、住宅地図、建物配置図をもって固定資産税課に行くことにしました。
そして現状と異なる記載がされている旨を窓口職員に説明したところ、いくら写真などを見たとしても、自分の目で確認しなければ判断できないとのことで、後日、現地調査に来ていただきました。
すると、現地調査をしたのは、5年前で、それ以降、何もしていないことが判明しました。
固定資産税課の職員さんは『越境はしていませんね。大変申し訳ありませんでした。来年度発行の証明書からはしっかりと訂正します。』と丁寧な対応をしていただきました。Aさんは、実際に余計な税金が課税されていたわけではないけれど、証明書類に自宅が隣の土地に越境していると記載されていたのは大変心外なことだった。この機会に見つけてくれて本当に良かったと喜んでおられました。
このように、相続の際には、今まで知らずに過ぎてしまったことが明らかになることがたくさんあります。
今後問題となりそうな点を1つずつ改めていくこともその後の家族の繁栄につながるとても大切なことだと実感しました。