『弟が亡くなったのですが、遠方でも対応してもらえますか』とAさんが相談に来られました。話を伺うと、亡くなられた方の最後の住所は東北。Aさんは関東在住。もう一人のご相続人Bさんは北陸在住でした。
預金、保険等の解約、不動産の名義変更などはすでに済ませており、心配事は相続税申告とのことでした。そこで相談員はまず、亡くなられた日をお聞きしました。するとすでに亡くなられてから7か月以上が経過しており、相続税の申告期限まであと3か月弱の状況。驚いた相談員は、その旨をAさんにお伝えし、取り急ぎ、まずは申告が本当に必要なのかの確認と、手続き漏れがないかの確認からお手伝いをすることにしました。
手続きで使用した戸籍等や解約済の通帳や支払伝票などをお預かりし、事前調査を行いましたところ、やはり相続税申告が必要でした。またいくつかの手続きの漏れも確認がとれました。
そこで、Aさんと相談員は相談し、相続税申告とその他の手続きを税理士と協力をして電話、メール、郵便などを駆使して、相続税申告の期限までに力を合わせていくことを決めました。
相続税申告には添付すべき書類がとてもたくさんあります。それらを速やかに税理士に相続人自身が集めて提出しなければなりません。ただ、Aさんはお勤めをしており、平日の昼間に銀行などで書類取得をしていくことは困難です。
そこで、相談員はAさんから委任状をいただき、各種東北の金融機関とやり取りをし、2週間ですべての書類を取得しました。それらをAさんの許可をいただき、税理士にお渡しし、それらをもとにAさん、Bさんに税理士から様々なヒアリングをし、東北のたくさんある不動産の現地調査や評価を行い、相続税申告期限の3日前に申告書への押印、申告、納税をすることができました。
Aさんはこんなことならもっと早く頼めばよかった、相続税申告間に合って本当によかったと喜んでいただきました。
現在は、亡くなった方のお住まいと相続人のお住まいが離れていることが当たり前の世の中です。
でも、相続手続支援センターは全国組織。どんな遠方でも、最寄りの支部にご相談していただければ、お手伝いをさせていただけると相談員自身も自信をつけたのでした。