ある日、一人の女性(A子さん)が来店されました。
北九州にある父(10年前に他界)名義の不動産の相続登記をどうすればいいのか・・・というご相談でした。
ご家族構成はA子さんの母、妹、弟で相続人は4名で、分割協議はすでに終えていて、相談者であるA子さんが相続することで合意しているとのこと。
不動産は、土地が父名義で家屋が母名義で、土地のみ相続登記が必要でした。
お父様の出生~死亡までの戸籍収集が必要で、相続人全員の戸籍謄本と印鑑証明が必要であるとお話し、手続きのご依頼をいただきました。
全員印鑑登録もされているようでしたので、「書類が揃えば登記ができますね。」とお話をし、A子さまも安心したご様子でした・・。
ですが、よくよくお話を伺うと、お母様は現在妹さんの自宅でご同居をされているということでした。「ご住所はどちらに?」と伺うと、「千葉県の妹の自宅の住所に移したばかり・・・」と。
「お母様はご住所を移動されてから、印鑑登録をされていますか?」と伺うと、「え・・・?どういうことですか?北九州のときにしてあります。」とのお返事が・・・
印鑑登録というのは住所地にするもので、住所を移動した場合、その住所地にて登録をしなければならないとご説明すると、驚かれていました。
私たちには一般的なことも、相続人の方々には一般的でないことを改めて実感しました。
お母様は足が不自由で出歩くことが困難なため、妹さんに委任状など必要書類を持って市役所へ行っていただき、お母様の印鑑登録を無事に終え、相続登記も無事完了することができました。「不動産を売却し、今後の母のために使いたいと」A子様はおっしゃっていました。