大井さん(男性:25歳)が来社されたのは、まだ寒さも残る3月初旬のことでした。
お父さまが亡くなり、「手続といっても何をどう始めればよいのかわからないのですが・・・」ということでお話を伺うと、幼少期にご両親は離婚しており、それ以降は妹Yと母親と3人暮らし。「父親とは連絡を取り合うことも無く過ごしてきたので、父親がどんな生活をしていたのかも知らない。
もしかすると再婚しているかもしれないし、お金にだらしない父だったので借金があるのではないかと心配です。」とのことでした。
まず、相続人の確定が必要なため、戸籍の収集をしました。ある程度は大井さんのほうでも取得しておられましたので、お父様の出生~死亡まで連続した戸籍が繋がるよう当センターで読取をし、不足している部分の戸籍関係を取得しました。
結果、お父様は再婚されておらず、相続人は大井さんと妹Yさんの2名だということがわかりました。その後に心配していた借金の調査をしました。ある程度の借入はわかるのでJICC(日本信用情報機構)へ申請をし、お父様の借入状況を調べました。
幸い、大井さんの方で把握していた(お父様のマンションに届いていた郵便物より把握していた情報より)銀行のカード借入のみでした。マンションを調べると住宅ローンもなかったので、大井さんと妹Yさんにはプラスの財産のみが残りました。
結局亡くなったお父様が残してくださったのはマンションと預貯金、死亡退職金と生命保険金でした。
無事に全てのお手続が終わると、大井さんは『女手ひとつで二人を育ててくれた母には感謝している。父がだらしなかったのでとても苦労しました。
でも、父の残してくれた遺産で、これから妹と二人で母に親孝行をしたいです。』とおっしゃっていました。