「ACP」(人生会議)、「リビング・ウィル」って何?

「ACP」(アドバンス・ケア・プランニング)ってご存知ですか?
人生の最終段階でどのような医療やケアを受けたいかを事前に考えたり、信頼できる人と話し合ったりすることで、「人生会議」という愛称もあります。

厚生労働省の「人生の最終段階における医療・ケアに関する意識調査」(2022年度)では、国民の約7割、医師や看護師の2割前後が「ACPを知らない」と答えているので、認知度はまだまだ低いようです。

命の危険が迫った状態では、約7割の人が自分の意思を伝えられないといわれている中、外国の研究ではACPを行うことで、「患者自身の自己コントロール感が高まる」「家族と医師のコミュニケーションが改善する」「残された家族の不安や抑うつが軽減する」といった効用が報告されています。

では、「リビング・ウィル」とどう違うのでしょう?
「リビング・ウィル」とは、患者本人が元気なときに延命措置や尊厳死に関する意思表示をしておく文書「人生の最終段階における事前指示書」のことで、公益財団法人日本尊厳死協会が発行しています。

つまり、「平穏死」「自然死」を望む患者本人が、自己決定権に基づいて「延命措置を望まない」ことを書き記すのが「リビング・ウィル」です。

終末期の在り方を身近な人達と一緒に考えるのが「ACP」、書面で「尊厳死」の意思表示をするのが「リビング・ウィル」で、いずれも終末期に「自らの意思で、生を全うしたい」と願う方による能動的な選択といえそうです。