法務省は遺産分割を話し合いで決める期間を相続開始から10年に限ることを検討し、2020年の民法改正をめざす。
現行法は話し合いで決められる期間に制限がないため、権利関係が確定せず、土地などの利用を希望する人の妨げになっていた。
話し合いでの合意や、家庭裁判所への調停申し立てがされないまま被相続人の死後10年経てば、法定相続分や遺言に従って、自動的に権利が決まるように改める。複数の相続人が持ち分にしたがって共有するため、共有持分の過半数が集まれば、取引の窓口となる「管理権者」を置けるようにする。
居場所が分からない、または特定ができない相続人が共有者にいる場合、その相続人の持ち分を他の相続人が取得できるようにし、取得費用を法務局に預ける。
所有権を持つ人を短期間で絞り込むことで、取引を希望する人に売却や貸し出しをしやすくする。
また、法務省は相続に伴う登記の義務化も併せて検討している。
(平成30年9月29日 日本経済新聞より抜粋)
いよいよ、民法改正の本丸に入ってきたという記事です。
法務省は、これを一番にやりたかったのではないでしょうか。
遺産分割の義務化をすれば、空き地・空き家問題も改善される可能性が高くなります。
これまでの相談の中でも、相続税の申告がないとそのまま放っておかれる方が多くいました。
何もしないでおくメリットは何も無いと伝えるのですが、今現在の煩わしさから逃れることを選択される方もおられました。
遺産分割の期限が10年と決められることで、「どうせしなければならないのだったら早めにしておこう。後になればなるほど時間と労力が増えるから」と思ってくださる方が多くなると思います。
土地を行政に寄付できる所有権放棄と同時に、この法律は施行してもらいたいものです。
(米田貴虎)