英女王の富、相続税免除 ~推計600億円、政府から独立保つ~

英国の女王エリザベス2世が死去したことを受け、その「遺産」は王位とともに新国王チャールズ3世へ引き継がれた。宮殿などの不動産や絵画コレクションといった富が対象で、君主から君主へ継承される資産は相続税が免除される。

英日曜紙サンデー・タイムズは、女王の個人純資産を3億7000万ポンド(約600億円)と推計。英国では相続税が40%で、原則として32万5000ポンドを超す部分が課税される。だが君主の遺産相続においては適用が免除されている。

英王室には個人所有資産のほか、君主に帰属するが独立して運営されている膨大な富がある。英財務省によると君主は相続税だけでなく、所得や資産の売買差益(キャピタルゲイン)にも納税の義務がない。だがエリザベス女王は1993年以降、自発的に納税してきたという。

(令和4年9月18日 日本経済新聞より抜粋)

厳かで気品のある、イギリスの国葬を拝見して、いかに女王が国民に愛されていたかが分かりました。

一般市民でも女王でも、葬儀の後には、相続の手続きが待っています。600億円の相続なので、税金もさぞかしかかるのだろうと思っていましたが、免除とのことです。

個人所有として、かなりの資産があるとも思ったのですが、「君主が伝統的な役割を果たし続けるとともに、政府からのある程度の経済的独立を保つために、十分な私的資源が必要」という覚書があるそうです。政府と一定の距離感を保つために、自由になるお金が必要だということですね。

ちなみに、昭和天皇が崩御されたときは、遺産総額は約18億円、相続税約4億円を納税されたそうです。

イギリス王室ができて956年、日本の王室ができて2682年らしいですので、約2.8倍の歴史があります。そう考えれば、皇室の資産も、1680億円ぐらいあってもいいのでは?と思ってしまいますね。

(米田貴虎)