増える空き家や所有者不明の土地の対策として今年4月、土地を手放すための新制度ができ、2023年にも使えるようになる。相続した土地を最終的に国が引き取ると決めたことは大きな前進だが、条件は厳しく、利用見込みはわずか1%弱という試算。
利用条件は厳しい。建物があってはいけないので、所有者は自己負担で上物を解体する。土壌汚染や埋設物がないことも必要。審査手数料に加え、10年分の土地管理費相当額も払ってやっと手放せる。
空地などを手放す方法には新制度とは別に相続放棄があり、相対的に負担が小さくなるケースが多い。司法統計では19年の相続放棄の受理は約22万5千件と20年前の2.3倍。
新制度は施行後5年間を経て見直す予定。一方、民間では、建て直しができない物件に特化したサービスや、空き家を解体して駐車場とする取り組みなど、新たな空き家活用を目指す動きが広がっている。
(令和3年7月1日 日本経済新聞より抜粋)
土地放棄の利用条件が、かなり厳しくなりそうですね。
利用予測が1%なんて、ほとんど利用できないのではないでしょうか。
所有権放棄をするのに、解体費用や10年分の管理費等を支払うということは、何百万円も払うことになります。
そうなれば、計画的に相続放棄をする方も増えるのではないでしょうか。あまりにも、金銭的な負担が違いすぎます。
先日も、「夫の実家の田畑などを相続したくないのですが、今から何かしておくことはありますか?」いう相談がありました。
このような方がどんどん増えていくことは予想できます。
22万件も相続放棄がなされている現状を考えると、制度の利用条件を見直して、もう少し利用しやすくしてもらいたいものです。
(米田貴虎)