土地の持ち主や境界が不明のまま、有効活用が滞るケースが各地で相次いでいる。特に農地の集約を行う場合、所有者と賃貸契約の必要があるが、実際に相続が起きたときに、不動産の登記が任意であること、人口減少もあって土地の利用価値が下がったことなどで、名義変更されずにそのまま死亡者名義のままになっているケースが3~4割に達している。
この土地の所有者不明により、東日本大震災の復興工事としての「高台移転」や「防波堤の建設のための予定地の買収」なども進まなくなっている。
また、日本では土地の境界を画定させるため、1951年から市区町村主体で「地籍調査」を実施しているが、進捗率は51%どまり。法務局に備えられている地図が不完全なことも多い。
この境界画定のために、持ち主の同意が必要なこともあり、さらに問題を深めている。
(2016年4月10日 日経新聞より)
亡くなった人の名義の土地をそのまま放っておくと、どんどん相続人の数が膨らんでいきます。その中に、住所地に居ない人(行方不明者)、海外に居る人などが出てくる場合もあり、そうなると、相続の手続が複雑化され、気が遠くなるような手間とともに、とても長い時間を要することになります。
アドバイスとしては、不動産の名義変更の手続きは、いつかは誰かがしなければならない手続という認識を持ち、気が付いたときに、気が付いた人が、例え相続人が10人居たとしても、その時点で必ず名義変更をしておきましょう。
また、いろいろな事情があるかと思いますが、名義変更は基本的には共有をしないで、(後々に売買など詳細が決まっている場合は別として)単独名義にしておきましょう。