相続・贈与・・・親孝行にも税金

親の家をバリアフリー改修してあげるために、子供が約800万円出しました。贈与税の基礎控除額の年間110万円を超えているので、800万円には贈与税がかかりますが親子はそれを知らず、申告していませんでした。

しばらくして、親が亡くなり、相続税の申告の時になり、過去の贈与税を子供が支払わなければならないと指摘されたのです。

贈与税を負担するのは贈与を受けた側なので、贈与税が未納のまま親が亡くなり、納税義務を子供が相続したということになります。改修によって建物の価値も上がった場合は相続税も増え、子供の負担は二重になります。

皮肉なことに「親孝行な子供ほど損をする」ことになってしまうのです。
(2014年11月19日 日本経済新聞より)

このようなケースでは、例えば家の改修費用は親が負担し、子供は年間110万円の贈与税の基礎控除内でお金を渡したり、贈与税の対象外となる生活費の援助という形で仕送りをしたりする方法が考えられます。

また、親子間で借用書を作り、リフォーム費用を親に貸し付けたことにするのも方法でしょう。

この場合は、子供の銀行口座からいったん親の銀行口座にお金を移し、親の口座からリフォーム会社へ支払いをしないと貸し付けと見なされない可能性がありますので注意が必要です。