2015年からの課税強化を控え、相続に対する節税への関心が一段と高まっている。しかし、節税ばかりに気を取られると思わぬ落とし穴がある。
例えば、親と同居していた相続人である兄が、評価額を8割も減らせる「小規模宅地の特例」を活用するため、家を相続し、残りの預金はもう一人の相続人である弟と2分の1ずつという相続案に対し、「弟からいくら節税になるといっても不公平だ」というふうに揉め事になってしまうのだ。
相続対策は節税の前に、バランスを考えた「財産の分け方」、つまり、家は誰が受け継ぐのか。ほかの財産は誰にどれだか分けるのか。配偶者や子どもらのことを思って公平になるように考えていく。どう分けるか大まかなイメージを描いたら、次に節税策を順序だてて考えればいい。
(平成26年11月12日 日経新聞より)
節税策では、家の評価として先にあげた「小規模宅地の特例」が考えられるが、細かな条件があるので、注意深く検討が必要です。次に考えたいのが、「生前贈与」。
これは、まず、「都度贈与」を考えてください。これは、生活資金や教育資金、あるいは大学入学金など、必要になった時点でその都度渡すもので、贈与税がかからない、一番手軽な方法です。
それから、基礎控除を意識した贈与、非課税制度を使った贈与、あるいは生命保険契約など、対策はいろいろとあるが、専門家などに相談しながら、できればじっくりと対策を進めていってほしいと思います。