認知症患者への損害賠償

2007年、愛知県で自宅を出て徘徊中に電車ではねられて死亡した認知症患者の男性の家族にJR東海が損害賠償を求めた訴訟の判決で、名古屋高裁は妻に360万円の支払いを命じた。

認知症患者の事故を巡って、同居家族の監督責任を重くとらえる判断を示した。認知症患者の在宅介護の増加が見込まれる中、家族を支える仕組み作りが求められている。

ただ、家族だけで在宅の患者を担い、徘徊によるトラブルを完全に防ぐのは難しいのが現実である。淑徳大の結城教授は「国や自治体、鉄道事業者などは患者が事故に巻き込まれることがないよう『優しい街づくり』に取り組むべきだ」と話している。
(平成26年4月25日 日経新聞より)

この訴訟の場合は、一審では認知症患者の男性の妻と長男に約720万円の賠償を命じたが、

二審では妻のみに360万円に変更となっています。

認知症患者の急増が見込まれる中、家族の責任を認めた司法判断は介護現場に影響を与えそうです。

また、家庭でも認知症患者を介護している場合には、トラブルに巻き込まれないように対策をしておくことが大切です。