相続税調査が例年8月ごろから年末にかけて本格化する。今年は新型コロナ感染拡大の影響で調査官が納税者の自宅に訪れる「実地調査」はやりにくい状況だ。
しかし、当局が「簡易な接触」と呼ぶ下記の3つの方法が、例年より多く使われているとの見方が多い。
①「行政指導」・・・文書で申告漏れなどがないか自主的な点検を求める。
②「文書による調査」・・・文書で具体的な疑問点を聞く⇒回答の必要あり。
③「呼び出し」・・・税務署に呼び出し、具体的な疑問点を聞く。2019年6月までの1年間で相続税を対象にした「簡易な接触」は1万332件、「実地調査」は1万2463件だった。申告人数に占める割合はいずれも10%前後。所得税の調査割合である0.3%を大幅に上回る。申告漏れなどを指摘される割合も「簡易な接触」は60%前後、「実地調査」は85%超と高い。
コロナ下の今年は、対象をより絞って相続税調査を実施するとみられる。
まず指摘されやすいのが「名義預金」。被相続人から相続人の口座に移し替えた形跡が濃厚な場合は名義預金とされることが多い。また国外財産も焦点の一つだ。日本の税制では親子がともに海外に10年を超えて住んでいない限り国外財産にも日本の相続税がかかる。
これらのほかに当局が最近力を入れるのが無申告の洗い出し。19年6月までの1年間で1380件の無申告事案を調査し、約9割に相当する1232件の申告漏れを指摘した。
納税者が自主的に正しい税額を申請するように修正申告を求めるが、応じなければ職権で税額を変更する場合があり、加算税などを追徴されることがある。(令和2年9月12日 日本経済新聞より抜粋)
「災害の後には、税務調査は来ない!」
阪神淡路大震災、東日本大震災の時には、聞くところによると税務調査は少なかったようです。
今回の、中国の武漢発祥のコロナウィルスは、一つの地方だけではなく日本全国に影響を及ぼしました。
期間の延長や納税の猶予など、これまでで一番納税者のことを考えてくれているのではないでしょうか。
しかし、税務調査で指摘事項が減るかといったら、これは別の話になると思います。
考えても見てください。これだけ税金をばらまき、しかも法人性や消費税などが激減するとなったら、どこから税金を徴収するでしょう?
完全な私見ですが、今後は相続税の申告調査が厳しくなると同時に、交通違反の罰金も増えるのではないかと思います。
一番文句の出ない徴収ですからね。
密にならずに出来る調査は、確実に増えるでしょう。
今年と来年はこれまで以上に、しっかりとした申告と対策が必要です。
(米田貴虎)